カッティングシート

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店の看板はA4サイズ

店の看板の印象で客層まで変わってしまう、と言えば大げさかもしれませんが、重要な部分だけに悩みました。 この店は予約中心の店なので「目立つ看板は必要なく、存在がわかれば良い」とのこと。小さな木製のサインを作りました。

ベースは無垢材に2倍に薄めた油性ウレタンを、布で塗って拭き取りを数回繰り返し、木材両面に耐水性を持たせました。 文字は黒つや消しのサインシートを使用。サイン屋さんにデータを渡しカットしてもらった物を貼りました。な〜んとなく手抜きのような仕様ですが... それなりに耐候性はあるはずなのです。説明は長くなりますが↓

カッティングシート

文字などの形に加工して、手軽に貼れるステッカーの素材として有名なのがカッティングシート(略してCS)ですが、一般名称はサインシート言います。ただし製品名であるカッティングシートのほうが、呼び名として一般化してしまったようです。 サインシートは耐候性によって短期装飾用と、屋外看板用の大きく2種類に分けられます。カッティングシートは短期装飾用で中川ケミカルの製品名。同じ中川ケミカルで屋外看板用はタフカル(Taffcal)という製品ですが、この名前はあまりなじみがないでしょう。

短期装飾用サインシート

短期装飾用と屋外看板用サインシートの決定的な違いは、その耐候性にあります。カッティングシートなどを屋外で使うと数カ月〜1、2年程度で退色が進み、やがて硬化してひび割れ、剥離し、硬化した糊が貼付けた面に残ります。 ガラスに貼った場合は短期間であれば、糊も比較的残らずに剥がしやすいのが特徴。短期間使う案内や練習用には便利です。色は豊富で仕上がりは半光沢、安価です。

屋外看板用サインシート

これに対してタフカルなどの屋外看板用は5年程度では退色は目立たず、硬化やひび割れも起きません。条件さえ良ければ10年後でも見栄えがそれほど変わらないこともあります。また、屋外看板用は、貼付けてすぐは粘着力は弱いのですが、時間が立つと粘着力が増し、ガラスに貼った場合でも剥がそうとすると貼り付けた面に糊だけが残り、糊は溶剤でも使わないととれませんから、短期間の使用には使えません。 屋外看板用となっていますが、屋内でもこれらのシートを使ったほうが美しく見栄えも落ちません。全く別の製品郡と考えたほうが良いでしょう。色は豊富で仕上がりは光沢のある製品がほとんど、値段はカッティングシートの2倍以上します。ところで PCや家具に貼れるのか?

そろそろ、本題に戻って↓

スコッチカル フィルム

今回使ったサインシートは住友スリーエム(3M)の屋外看板用スコッチカル フィルム(Scotchcal Film)です。中川ケミカルの屋外看板用タフカル(Taffcal)は、この製品をターゲットに作られたはずで、ほぼ同レベルの品質でしょう。下の写真で黒のベタ面にスジが見えると思いますが、これは貼付けた時のムラや気泡ではなく、木材表面の僅かな凹凸がシートの表面にスジとして出ているためです。よく材料に密着していることがわかります。普通は木材に貼ったりはしませんが、木材表面にウレタンを吸わせてあるのでいけるだろうと考えています。

屋外看板用シートのほうが薄い

この文字の高さは約10mm、文字の線幅は1mm程度しかありませんから、シートでの加工限界に近い大きさです。写真でこのスコッチカル フィルムの厚みが見えるでしょうか。これを測ってみると実測で0.07mm(ノギスが約に立ってますね)でした。手許のカッティングシートを測ってみると実測で0.1mmあります。 これらのシートの欠点は表面を布などで拭くとシートに繊維が絡んで、文字などの角が剥がれてしまうことです。もちろん直接布などで拭くことは避けるべきですが、この点においても、薄いシートが使われている屋外看板用のほうが有利です。

看板としての耐候性は?

屋外で、ある程度直射日光があたる東向きの壁面に取り付けました。時には雨があたる風通しの良い場所です。 スコッチカルの耐候性は問題ありませんが、ベースの木材がどの程度耐えてくれるかにかかっています。 3年か5年か...どの程度で劣化するかが問題です。

住友スリーエム
中川ケミカル

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2007年9月30日 作成:ita

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