250GBプラッターのHGST Deskstar P7K500の仕様
10月22日に発表された日立GSTのハードディスク Deskstar P7K500は、「通常のアイドルモードに比べ44%の消費電力を低減する低速回転モード」を持つのが特徴。消費電力が抑えられた製品は通常発熱も少なめですから、PCを静音化するには好都合なHDDではないかと注目しています。
2プラッタモデルのほうが騒音が少ない?!
Deskstar P7K500データシートを眺めていたら、面白いことに気付きました。騒音(Acoustics Idle (Bels,typical)の欄でディスク枚数1のモデルよりもディスク枚数2の大容量モデルのほうが、より低く記載されているのです、なぜだろう?。
Deskstar P7K500 仕様
Deskstar P7K500 仕様 | ||||
モデルナンバー | HDP7250xxGLAT60 | HDP7250xxGLA360 | ||
インタフェース | Parallel ATA-133 | Serial ATA 3.0 Gb/ss | ||
記憶容量(GB) | 500-320 | 250 | 500-320 | n/a |
ディスク枚数 | 2 | 1 | 2 | 1 |
面記録密度(Max) | 185 (Gbits/sq.in.) | |||
データバッファ容量 | 8 MB | 16or 8 MB | ||
ディスク回転数 | 7200 rpm | |||
Media transfer rate (max) | 1138 Mbit/s データ転送速度(媒体記録再生時) | |||
インタフェース転送速度 (max) | 133 MB/s | 300 MB/s | ||
騒音 Idle(typical) | 2.6 bels | 2.8 bels | 2.6 bels | 2.8 bels |
寸法(厚み) | 26.1mm | |||
重量 | 550g (typical,max.) | |||
最大電流(起動時) | 2.0A(+12V), 1.1A(+5V) | 2.0A(+12V), 1.3A(+5V) | ||
消費電力 Idle (W) | 4.5 | 3.3 | 4.8 | 3.6 |
ハードディスクのプラッタ(回転する中の円盤)は1か2あるいはそれ以上の枚数で構成されていますが、 通常同じシリーズのHDD製品なら枚数が多いほうが騒音レベルが高くなりがちです、しかしこのDeskstar P7K500においては少なくとも低速回転モードでは「2プラッタモデルのほうが騒音が少ないかもしれない」
11月07日に発表のCinemaStar P7K500
さらに、デジタル映像機器向けのハードディスク装置として11月07日に発表されたCinemaStar P7K500のデータシートと、Deskstar P7K500を比較してみました。仕様はほとんど共通ですから、ハード的にはDeskstarとほぼ同じ製品のはずです。しかしこちらの大容量2プラッタモデルはDeskstarと同じ騒音レベルですが、「1プラッタモデルのほうが騒音レベルが低い」という納得できるデータになっていることがわかります。
もうひとつ気付くのは、Deskstar P7K500には記載されていない、Silent-Seektimeと動作時の騒音レベル(騒音 Operating)がこちらには記載されていること。おそらくDeskstar P7K500も同じ値なのではないかと想像できますね。
CinemaStar P7K500 仕様(抜粋) | ||||
モデルナンバー | HCP7250xxGLAT80 | HCP7250xxGLA380 | ||
インタフェース | Parallel ATA-133 | Serial ATA 3.0 Gb/ss | ||
記憶容量(GB) | 500-320 | 250 | 500-320 | 250 |
ディスク枚数 | 2 | 1 | 2 | 1 |
Silent-Seektime | 14 ms read (typical) | |||
データバッファ容量 | 8 MB | |||
騒音 Idle(typical) | 2.6 bels | 2.5 bels | 2.6 bels | 2.5 bels |
騒音 Operating (typical) | 2.8 bels | 2.7 bels | 2.8 bels | 2.7 bels |
備 考 | 面記録密度、ディスク回転数、Media transfer rate、消費電力など...その他はDeskstar P7K500と同じ |
Hitachi Global Storage Technologies CinemaStar P7K500
Deskstar P7K500は2プラッタモデルがお勧め!?
DeskstarとCinemaStarのデータを突き合わせると...Deskstar P7K500の2プラッタモデルが「より静か」なのではなく、ディスク枚数1のモデル(1プラッタモデル)が何かの理由で少し騒音レベルが高いということがわかります。ただ、データシートのIdle(typical)欄の騒音の値は、初期の製品の測定値のサンプルですから、製造時期が変わると違ってくるかもしれません。しかし少なくとも初期の製品では「2プラッタモデルを選んだほうがより静か」なのかもしれない。
いずれにしても、どちらのモデルもDeskstar 7K1000の騒音レベル(Idle) 2.9 belsを下回っていますから、気にする程のことではないかもしれません。
誤植という落ちでは?... ない(確認済)
英文、和文、プレスリリースともに『騒音 Idle(typical)』の値は同じでしたが、念のため日立GSTに確認したところ、『表記通りの測定値であったためそのまま掲載した、USにも確認してある』とのことでした。きちんと回答していただいた日立GSTは素晴らしい。HDDの出荷量ではSeagate (Barracuda)が大きなシェアを持っているようですが、日本の企業の資本が投入されたHGSTもなんとか頑張ってほしいものです。Deskstar P7K500が急に欲しくなってきた。
なかなか速いようです、さっそく試された方伝道師日記/Deskstar P7K500
動作音も、当方のST3500630ASに比べると...レトロフライト 11/10
ってゆーか、とりあえず録音してみましたw ...よっちゃんのチラ裏/レビュー 結局、私もP7K500を買いました。fab51ブログ:P7K500、500GBモデル購入(08/03/04)250GBモデルのほうが騒音のレベルが高い原因は...おそらく(11/13追記)
単に「作りが違うから」かもしれません。この記事伝道師日記11/4をよく見ると250GBモデルと500GBモデルを比較している写真があり「500GBだけが鏡面加工じゃないんでしょうがピカピカ」
の記述があります。拡大写真を見ると500GBモデルには薄い鋼鈑が貼ってあるようです。今回は、250GBモデルだけこの鋼鈑が省略されているため、騒音レベルが他より高かったというだけなんでしょうか。そういえばIBMの時代からモデルによって鋼鈑があったり、なかったりしてましたね〜。
Deskstar P7K500 モデルナンバー一覧