東芝のHD DVD撤退報道

東芝、HD DVDからの撤退の報道

1月にWarnerがBlu-rayを選択した時点で、いずれ、こうなるとは思っていましたが、正式発表を待たずに『撤退の方向で』と報道されていたのが興味深く、なりゆきを見ていました。正式発表の前日に「当社として決定した事実はない」という正式コメントを出しているのが面白い。この件で、いくつか関連記事の引用を掲載します。

- 東芝、間もなくHD DVDから撤退か -
東芝は向こう数週間のうちに、HD DVDフォーマットから撤退するとみられている。1月初めにWarner Home Videoが5月以降はソニーのBlu-ray Disc規格のみをサポートすると発表して世を驚かせたのに続き、小売業者の離脱が相次いだのを受けてのことだ。
itmedia 2月15日
- 東芝、HD DVD撤退で調整へ”報道を読み解く -
plusd.itmedia 2月16日
- HD DVD撤退報道に東芝が公式コメント -
HD DVDからの撤退を東芝が検討しているとの報道に対し、東芝は2月18日、「当社として決定した事実はない」とのコメントを発表した。
itmedia 2月18日
- 東芝がHD DVDからの撤退を正式発表 -
「お客やパートナー企業を考えると苦渋の決断だった」「だが固執してほそぼそと続けても、勝ち目がないと判断した」──東芝が2月19日、3月末をめどにHD DVD事業から撤退することを正式発表し、次世代DVDはBlu-ray Discに一本化されることが事実上決まった。
itmedia 2月19日
- 次世代DVD規格争いの先にあるもの、 -
次世代DVD規格争いに終止符が打たれた。規格の一本化は、高品位(HD)ビデオ市場の成長を促す原動力になるかもしれない。しかし、その前に対処すべき課題が山積みだ。
EE Times 2月20日

東芝のNANDフラッシュ新工場建設の報道

HD DVDからの撤退報道と同時期に、NANDフラッシュ新工場の報道もありましたが、これも正式発表よりも早く報道され、「何も決まっていない」のコメントの翌日には、正式発表されています。

- NANDフラッシュ新工場の報道に「何も決まっていない」 -
株式会社東芝は18日、一部で報道されたNANDフラッシュメモリの新工場について、「何も決まっていない」とのコメントを発表した。
pc.watch 2月18日
- NANDフラッシュメモリ工場を建設 -
株式会社東芝は19日、NANDフラッシュメモリの製造工場を新たに建設すると発表した。場所は三重県四日市市、岩手県北上市で、2棟を並行して建設する。需要拡大の続くNANDフラッシュメモリの生産能力増強だけでなく、次世代メモリの生産拠点としての利用も見込んでいる。
pc.watch 2月19日

東芝とソニーは「Cell」製造の合弁会社設立の正式契約を発表

さらに東芝は、Blu-rayの筆頭であるソニーとの合弁会社を設立する発表まで同時期に発表しているあたりは、さすがに大企業、「それはそれ」ということなのでしょう。

株式会社東芝と、ソニー株式会社、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は20日、PS3チップ製造の合弁会社の設立で合意し、正式契約を締結したと発表した。
pc.watch 2月20日
- BD製品展開は「検討していない」——東芝 西田社長 -
Blu-ray Disc製品を今後展開するかだが、「現在のところ、BD製品を手掛ける予定はまったくない」と西田氏はコメントしている。
plusd.itmedia 2月19日

これまでの報道を見ていると、フラッシュ新工場や「Cell」製造の合弁会社のニュースを「HD DVD撤退」発表と同時期に流して、マイナスイメージを緩和する作戦のように見えます。しかし、なぜ正式発表の直前に否定的なコメントを出すのか私には理解できません?。 したがって、東芝からの「現在のところBlu-rayを手掛ける予定はまったくない」というコメントに意味があるとは思えませんから、すぐさま「SharpからOEM供給を受けBlu-rayの生産を検討している」とかの発表があったとしても、もうまったく驚きませんね〜。 そういえば昔、東芝はベータマックスも作っていたのを思い出しました。

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コメント(2)

東芝にとって最初から次世代DVDは不要なメディアで、NAND-FLASHがVideoデータの保存に適するような容量になるまでに、Blu-rayの普及を阻止するする手段としてHDーDVDが必要だったのではないでしょうか。

HDーDVDは、本気だったのだと思います。
「Blu-rayよりもメディアを安価に製造できるはず」という技術的な自信があったのだと思います。しかし、Blu-rayのシェアが上がってBlu-rayのメディアが低価格で提供されてしまうと、容量的にもHDーDVDは魅力が感じられなくなってしまいました。

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2008年2月21日 作成:ita

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