HGST P7K500 低速回転モード
P7K500はアイドル時に磁気ヘッドをアンロード(待避)したり、ディスクを低速回転にするなどして消費電力を低減する機能を持つHDDですが、購入時のままではこれらの機能は働きません。これらの機能はHGSTが提供する専用のツール(Feature Tool)から設定することで有効になります。
Feature ToolによるHDDのアドバンスト パワー マネジメント設定
HGST はこの機能をAPMと呼んでおり、以下のように設定します。
APM ( Advanced Power Management ) | ||
設定 | APMモード | APM動作の概要 |
0x00 | 使わない | 通常動作 ディスクの回転数は常に一定。アイドル時でもヘッドをアンロードしない |
0x00 - 0x3F | 無効な値 | - |
0x40 - 0x7F | APM 有効 T1 | 低速回転モード 磁気ヘッドはランプ上にアンロードされる。サーボ制御はオフ状態で、ディスクを低速回転にする。このモードは、通常のアイドルモードに比べ、約44%の消費電力を低減する。 |
0x80 - 0xBF | APM 有効 T2 | アンロードアイドルモード 磁気ヘッドはランプ上にアンロードされる。サーボ制御はオフ状態だが、ディスクを低速回転にはしない。このモードは、通常のアイドルモードに比べ約11%消費電力を低減する。 |
- T1: 低速回転モードへ移るまでの時間を設定
- アンロードアイドルモードへ移る迄の時間はT2で設定できるが、T2を一度も設定したことが無い場合は最短の2分(0x80)とみなされる。両方の時間を設定したい時はT2設定後にT1を設定する
T1 設定 | ||||||||
時間 | 10分 | 15分 | 20分 | 25分 | 30分 | 45分 | 60分 | 73分 |
設定例 | 0x40 | 0x45 | 0x4A | 0x4F | 0x54 | 0x63 | 0x72 | 0x7F |
- T2: アンロードアイドルモードへ移るまでの時間を設定
T2 設定 | ||||||||
時間 | 2分 | 3分 | 4分 | 5分 | 6分 | 7分 | 7分15秒 | |
設定例 | 0x80 | 0x8C | 0x98 | 0xA4 | 0xB0 | 0xBC | 0xBF |
アドバンスト パワー マネジメントの設定画面
CD起動で設定してみました。画面の下のスライダーを動かすことで設定値が変わるのですが、User_Guidには設定値と時間の対応については書かれていません。検索で調べ、設定後再起動してみると、予定通り低速回転モードが有効になっていました。低速回転になる時間まで待ってからファイル操作をしてみると、ヒューンという小さな加速音がするので、低速回転になっていることがわかります。
HGST P7K500 低速回転モードからの復帰音
低速回転モードから通常動作への復帰音です、ヒューンという小さな加速音が聞こえます。(音が小さいので聞きとりにくいかもしれません)
実は最初にFeature Tool(ftool_209)を起動させたとき、カーソルがめまぐるしく動きまわり設定ができませんでしたが、マウスをELECOMのM-DWURWHから別のマウスに変えたら問題が起きなくなりました。
Feature Toolって?
Feature Tool
Feature ToolはHGST(Hitachi Global Storage Technologies)が提供するHGSTやIBM製HDD用の専用ユーティリティーで、HDDの様々な設定や機能の確認に利用できます。このToolはHGSTから直接ダウンロードして入手できます。CD image(ISO)をダウンロードし起動CDを作成後、PCをCDから起動させて使うか、または、FD版を選んで起動FDを作ってから使います。
Feature Toolが立ち上がったら、設定するHDDを選ぶ
Featuresメニューから「Change Advanced Power Mode」を選ぶと今回利用したAPMの設定画面になります。
この時、FeaturesメニューからChange Acoustic Levelを選んで設定すると、ヘッドの動作音を減らすことができます。私はあまり気にならなかったので、この設定はしませんでした。また、対応HDDはUser_Guid(英語)に記入されているので確認したほうが良いでしょう。
T1、T2の時間の計算方法は、2ちゃんねる:【日立】 HGST友の会 Part55 【HDD】のテンプレート
■Advanced Power Mode(APM)の解説
の以下の説明をもとに作成しました。
(*1)低電力モード移行迄の時間はT2で設定した値となる
一度も設定したことが無い場合は最短の0x80(2分)とみなされる
つまり、両方の時間を設定したい時はT2設定後にT1を設定する(2回設定する)
それぞれの時間の計算方法:(16進数で有る事に注意)
円盤減速迄の時間T1:
最短で600秒(10分)、0x40に+1する毎に+1分。(0x01〜0x3Fは0x40を設定したのと同じ扱い)
早見表: 0x01〜0x40:10分 0x45:15分 0x4A:20分 0x4F:25分 0x54:30分 0x63:45分 0x72:60分 0x7F:73分
低電力モード移行迄の時間T2:
最短で120秒(2分)、0x80に+1する毎に+5秒
早見表: 0x80:2分 0x8C:3分 0x98:4分 0xA4:5分 0xB0:6分 0xBC:7分 0xBF:7分15秒
- 関連リンク
- Feature Toolhttp://www.hitachigst.com/hdd/support/download.htm
- IntelのICH8,ICH9において
AHCI/RAIDモードで問題が起きる。リリース予定のIntel IMSM 8.0 driverで解決される見込
検索:intel P7K500 AHCI RAID 問題 - 関連記事blog:HGST Deskstar P7K500
いつも楽しく拝見させてもらっております。
私もこのP7K500のHDDを自宅のWindowsHomeServerでプライマリHDDとして
使っています。
P7K500の低速回転モードがあることを最近知りました。
教えていただきたいのですが、サーバーとして運用する場合の
最適なT1,T2時間でオススメ設定がありましたら御教授願えないでしょうか。
(勿論、アクセスする頻度とかにもよりますでしょうが…。自宅サーバーは
ファイル共有したり、たまに番組録画するくらいです)
管理人様はP7K500をサーバーとして運用していらっしゃいますか。
もしそうであれば教えていただけないでしょうか。あるいはサーバーとして
運用されていらっしゃらなくても一般的によさ気なT1,T2時間を教えていただけたら
幸いです。
宜しくお願いします。
HDDは定速で回っている場合は故障が起きにくいという話もあり、あまり頻繁に低電力モードからの復帰を繰り返さないほうが良いのかもしれません。
私はP7K500をサーバ用として使っていませんが、もし低速回転モードを使うなら、T2はあまり意味がないと思うので、T1の低速回転モードだけを使い、20~30分くらいの設定でどうでしょう。