魚津で途中下車、黒部渓谷鉄道で黒薙温泉へ
特急「はくたか」は、ほくほく線を最高160Km/hで快調に飛ばし、直江津の手前で日本海に出る。そのまま乗っていれば富山駅に着くのだが、少し手前の魚津で途中下車。実は富山には用事があったわけではなく、本当は東京からまっすぐに岡山に向かえば済むところなんですが、新幹線はもう飽きたし、幸い日程にも余裕がある。そこで、日本海を通って岡山へという回り道を思い付いたのです。
只見線で車窓の景色を眺めながら考えていたのは、「北陸のどこで途中下車するか」でした。一度も行ったことのない場所でどこか良いところは...と思い付いたのが『黒部渓谷』。この日は山にガスがかかっていて、黒部渓谷の深い谷がより神秘的に見えました。
黒部渓谷への交通手段
黒部渓谷へは、JR魚津駅から地下道を通って富山地方鉄道(富山地鉄)の新魚津駅へ。新魚津から宇奈月温泉行きに乗車。40分程で終点宇奈月温泉に到着します。さらに、そこから歩いてすぐの黒部渓谷鉄道 宇奈月駅へ。宇奈月からトロッコ列車に乗り黒部渓谷へと入ります。宇奈月からトロッコ列車の終点欅平(けやきだいら)までは片道約1時間20分かかります。トロッコ列車は、1時間に2本程度の間隔で運転されていますが、山の夕暮れは早いため「午前中か、午後の早めの時間の列車」に乗らないと、暗くなってしまうので注意。黒部渓谷鉄道 宇奈月駅前には「黒部川電気記念館」があります、時間があればトロッコ列車に乗る前に、ここで黒部の電源開発についてのビデオを見ておくと、トロッコ列車がより楽しめます。
魚津からの往復時間を考えてみると、列車待ち時間合計1時間、欅平に到着してから1時間後に引き返すとして、約6時間必要ですから、ついでに立ち寄るというスケジュールでは無理のようです。写真はトロッコ列車が最初に渡る橋、その奥が宇奈月温泉。
黒部渓谷鉄道 トロッコ列車に乗る
トロッコ列車は有名すぎて、それほど感心がなかったのですが、乗らないわけにもいかないでしょう...乗りました。 トロッコ列車は黒部川の上流に向かって、日本一深い黒部渓谷の奥へと、どんどん進んでいきます。
トロッコ列車自体は遊園地の乗り物みたいに感じましたが、もともとは黒部の電源開発のために作られた線路ですからさすがに本格的。橋を渡ったり、いくつもの狭いトンネルを抜けたりしながら、V字型の谷底近くを山肌をこするくらいの距離で進み、とても迫力があります。トロッコ列車の終点、欅平までは20.1kmあり、この欅平にも露天風呂など、ある程度見どころはありますが、実のところトロッコ列車からの眺めのほうがずっと楽しめました。
黒部渓谷鉄道を利用して行ける温泉でおもしろそうなのがこの3つ、黒薙温泉駅は宇奈月温泉から25分程の場所なので便利、たとえ黒薙までの往復でも黒部渓谷鉄道を、そこそこ楽しめるような気がします。名剣温泉と祖母谷温泉へは黒部渓谷鉄道の終点欅平から歩くのですが、今回は通行止で見に行けませんでした。特に祖母谷温泉は山小屋とか、ここは、まさに秘湯ではないかと思います。
- 黒薙温泉(くろなぎ温泉):黒部渓谷鉄道の黒薙から徒歩15分
- 名剣温泉(めいけん温泉):黒部渓谷鉄道の終点欅平から徒歩15分
- 祖母谷温泉(ばばだに温泉):名剣温泉から、さらに徒歩30分
黒薙温泉
途中の黒薙(くろなぎ)駅で下車し、ホームの向側の階段を上り山道を歩き、宇奈月温泉の源泉がある黒薙温泉の一軒宿に向かいました。
黒薙温泉は、黒部川の支流の黒薙川の谷底にあり、普通の靴でも歩ける程度だが山道を歩かなくてはならない。写真は山道の途中から見えた黒薙温泉の露天風呂(青い屋根のように見えるところ)、15分ほど歩いて黒薙温泉に到着。
黒薙温泉は露天風呂2つと内湯があり、写真は上の写真より上流の河原に面した露天風呂。この露天風呂の脇から太いパイプで宇奈月温泉へ源泉を供給している。
黒薙温泉は昔ながらの温泉宿といった風情は残しているが、客室や内湯は綺麗に改装してあり不便さはない。ただし、携帯は使えないので注意が必要。料金は一万円程度と許容範囲、比較的手軽に秘湯気分を味わえました。
翌日、黒薙から黒部渓谷鉄道の終点欅平(けやきだいら)まで往復し、宇奈月温泉から再び魚津に戻る。
魚津から富山、そして岡山へ
魚津から富山駅、鱒寿司を買ってサンダーバードで新大坂へ。
新大坂から新幹線で無事岡山に到着。地図で見てみると日本海側を通っても、それほど回り道をしているようには感じなかったのですが、在来線で移動すると岡山はこんなにも遠かったのかと感じました。次の機会があればまた寄り道をしてみたい...。