ポリカーボネート中空構造パネル
以前書いたツインパネルPCを使った建具の記事で、何度か問い合わせをいただきました。ツインパネルPCはホームセンターなどで売られていませんから、入手もしずらく、情報もあまりありません。そこで私が知る範囲でツインパネルPCに関する追加情報を掲載します。
これは前回窓の内側に使ったツインパネルPC「ストライプ」の4mmです。外光を通すのは「クリア」と同様ですが、クリアと違い内部に細い筋状のラインがあるため、ストライプは適度に光が回折し明るい場所に使うと美しく輝きます。またこの性質によりある程度視界をさえぎることができるのも特徴です。 クリアは他社の同等製品にもありますが、私の知る限り「ストライプ」はこのツインパネルPCにしかないようです。
ツインパネルPC - 宇部日東化成
ツインパネルPCは宇部日東化成のポリカーボネート中空パネルの製品名で、このツインパネルPCにはクリアの他、ストライプ、フロスト、乳半(乳白色半透明)の製品がありました。しかし再度調べてみると、宇部日東化成のWebサイトには製品の詳しい説明リンクがなくなっていて不思議でした。そこで宇部日東化成に問い合わせたところ、現在は製品の種類が整理されクリアとストライプだけになっているとのことでした。
これは宇部日東化成がフロストや乳半の生産を中止したとかではなく、もともとツインパネルPC自体が輸入品であったようで、現在扱っている製品を絞っているということのようです。
ポリカーボネートを主原料とした、高耐候処方の一体押出中空構造パネルです。透明性が高い他、耐衝撃性に優れており、広い温度範囲での使用が可能です。又、中空構造は保温・断熱性能と軽量性に加えて、意匠上の特異性を提供致します。インテリア・エクステリア・各種サイン関連素材として御検討下さい。
ポリカーボネート中空構造パネルの特徴
ポリカーボネートは耐候性に優れた割れにくい樹脂です。これを段ボールと同様な形状に押出成形した中空構造パネルのため、割れにくく、軽い。カッターでもカットができるなど加工が楽で、比較的安価であることが特徴です。 形状はプラダン(プラスチックダンボール)に似ていますがプラダンはポリプロピレン樹脂で柔らかく半透明であるのに対し、ツインパネルPCはポリカーボネートが主原料であるため強度がまったく違います。
素材のイメージとしてはペットボトルを少し硬めにしたような材料で、押せばたわむ柔らかい素材です。柔軟性があるから対衝撃性が高く割れにくいわけです。 無理に割ろうとすると、へこむ、あるいは折れ曲がります。 室内でガラスの変わりに使用した場合、ガラスに比べ軽いこと、割れにくいことが安全性の点で有利です。ただし最低でも4mm程度の厚みが必要なこと、硬い物があたると傷がつくこと、段ボールと同様の中空構造のため数ミリごとにリブが入っておりガラスのように均質ではないという不利な面もあります。それでも丁寧に扱えばたぶん10年くらいは美しいままで使えるのではないかと思います。
ポリカーボネート中空パネルはいろいろな製品があるのですが、「ストライプ」を使おうとするとツインパネルPCしか選択肢がないのが困ったところです。
ツインパネルPC の入手先について
宇部日東化成自体は直販はしていませんので、通常は建材や内装業者に相談してみると良いと思います。 また、ツインパネルPCの販売に関して有力な会社としては、福田金属箔粉工業株式会社があり直販でも対応していただけるようです。但しこの会社自体は小売りの販売店ではないので、あまり少量の注文は避けたほうが良いでしょう。
福田金属箔粉工業にツインパネルPCの情報は掲載されていませんが、建材の一部として扱われています。現在出荷できる製品を確認してみました
ツインパネルPCストライプ 4mm, 6mm
ツインパネルPCクリア 4mm, 6mm, 10mm
の扱いがありストライプのサイズは910mmx2300mmが基準。(リブは長手方向)
- 福田金属箔粉工業株式会社
- 東京支店 建材営業グループ TEL 03-3271-2011
- ツインパネルPC関連記事
- blog:ツインパネルPC 建具