富士電機デバイステクノロジーは、業界で初めて、垂直磁気記録媒体に改良を加えたECC (Exchange-coupled composite)媒体の製品化に成功し、7月から出荷を開始したことを発表した。(7/30)
現在のハードディスクのディスク媒体の主流は垂直磁気記録媒体だが、従来の垂直磁気記録媒体では記録密度を上げるほど、書き込みにくさが増すという問題点があった。そこで、この記録層に改良を加え2倍以上の書き込み易さ(当社比)を実現したのが今回のECC媒体で、これによりさらに記録密度の高いハードディスク製品ができる、ということのよう。
富士電機 ECC媒体の特徴
当社のECC媒体は、垂直磁気記録媒体の記録層に改良を加え、下部磁性層に磁気異方性の高い材料を使用するとともに、下部磁性層と上部磁性層との交換結合強度を最適制御することで、従来の垂直磁気記録媒体に比べ、2倍以上の書き込み易さ(当社比)を実現する媒体となっています。
9月に量産開始予定のECC媒体は、下部磁性層の材料を変えることで磁気異方性を高め、さらに記録層の結晶粒径の微細化を進めたもので、これによって、記録データの熱安定性を損ねることなく記録密度をさらに高めることができました。